メモ/[新版] ブルー・オーシャン戦略



今更ですが読んでみました。当然これを読んだからと言ってブルー・オーシャンは見つからないですが、見つけるための思考ツールとして役立ちそうだな、と感じました。「8つの原則」とか「4つのアクション」とかキャッチーな手法を色々用意していて思いついたアイデアを検証する際に、これらの手法を使ってみるといい感じかと。

自分メモ用に概要を抜粋しておきます。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

■ブルー・オーシャン戦略の8原則
○策定の原則
 <1>市場の境界を引き直す ⇔ 探索リスク
 <2>細かい数字は忘れ、森を見る ⇔ プランニング・リスク
 <3>新たな需要を掘り起こす ⇔ 規模のリスク
 <4>正しい順序で戦略を考える ⇔ ビジネスモデルにまつわるリスク
○実行の原則
 <5>組織面のハードルを乗り越える ⇔ 組織面のリスク
 <6>実行を見据えて戦略を立てる ⇔ マネジメント・リスク
 <7>価値提案、利益提案、人材提案を整合させる ⇔ 持続性にまつわるリスク
 <8>ブルー・オーシャン戦略を刷新する ⇔ 刷新にまつわるリスク

<1>市場の境界を引き直す

 6つのパス
 1.代替産業に学ぶ
   →代替財や代替サービスを提供する業界に着目する
 2.業界内の他の戦略グループから学ぶ
   →業界内のさまざまな戦略グループを見渡す
 3.別の買い手グループに目を向ける
   →業界の階手グループを定義しなおす
 4.補完財や補完サービスを見渡す
   →業界の枠組みを超えて、補完財や補完サービスを見渡す
 5.機能思考と感性志向を切り替える
   →業界の機能思考あるいは感性志向を問い直す
 6.将来を見通す
   →将来にわたって外部のトレンドの形成に関わる

<2>細かい数字は忘れ、森を見る

 ・戦略キャンパスを描く
  ・ステップ1.目を覚ます
  ・ステップ2.自分の目で現実を知る
  ・ステップ3.ビジュアル・ストラテジーの見本市を開く
  ・ステップ4.新戦略をビジュアル化する

<3>新たな需要を掘り起こす

 ・非顧客層の3つのグループ
  1.市場の縁にいるが、すぐに逃げ出すかもしれない層
  2.あえてこの市場の製品やサービスを利用しないと決めた層
  3.市場から距離のある未開拓の層

<4>正しい順序で戦略を考える

 1.買い手にとっての効用/この事業アイデアは比類のない効用をもたらすかどうか
  ↓できるまで練り直す
 2.価格/多くの人々にとって手が届きやすい価格か
  ↓できるまで練り直す
 3.コスト/価格競争力を保ったうえで利益の出る水準までコストを下げられるか
  ↓できるまで練り直す
 4.実現への手立て/このアイデアを実現する上での障害はなにか。
           事前に対策をとっているか
  ↓できるまで練り直す
 (GOAL)商用に耐えうるブルー・オーシャン・アイデア

 ・顧客経験の6つのステージ
  1.購入
  2.納品
  3.使用
  4.併用
  5.保守管理
  6.廃棄

 ・効用を生み出す6つのテコ
  1.顧客の生産性
  2.シンプルさ
  3.利便性
  4.リスク低減
  5.楽しさや好ましいイメージ
  6.環境への優しさ

<5>組織面のハードルを乗り越える

 ・ティッピング・ポイント・リーダーシップ
 従来:組織を変革するには、大勢の心を動かすのが常道である。
    大勢の心にじかに訴えかけようとするため、変更には多大な経営資源と
    時間を要する
 → :大勢を動かすために、まずは極めて大きな影響力を持つ人や活動に
    働きかける。それによって、低コストで速やかに戦略転換を実現する。

<6>実行を見据えて戦略を立てる

 ・公正なプロセスは人々の姿勢や行動に影響する。
 ・公正なプロセスを支える3つのE(three E principles of fair process)
  1. Engagement 関与
  2. Explanation 説明
  3. clarity of Expectation 明快な期待内容

<7>価値提案、利益提案、人材提案を整合させる

・3つの戦略提案を整合させる
 ・価値提案 買い手にとっての効用
 ・利益提案 企業にとっての売上
 ・人材提案 戦略の支援と実行を促す目的で人材に手じする、
       前向きな動機づけ要因とインセンティブ

 →ブルー・オーシャンの場合
  差別化と低コストの「両方」を目指して、3つの戦略提案を整合させる。

 →レッド・オーシャンの場合
  差別化と低コストの「片方」を目指して、3つの戦略提案を整合させる。

<8>ブルー・オーシャン戦略を刷新する

■買い手に提供する価値を見直して、新しい価値曲線を描くための4つのアクション
(the four actions framework)

 ・Q1.取り除く:
   業界常識として製品やサービスに備わっている要素のうち、
   取り除くべき要素は何か
 ・Q2.減らす:
   業界標準と比べて思い切らすすべき要素は何か
 ・Q3.増やす:
   業界標準と比べて大胆に増やすべき要素は何か
 ・Q4.付け加える:
   業界でこれまで提供されていない、今後付け加えるべき要素はなにか

 (イエローテイルの例:)
 ・取り除く:ワイン用語や等級表示
       マスメディアを使ったマーケティング
       熟成
 ・減らす :ブドウ園の格と伝統
       国や味わいの深さ
       種類
 ・増やす :デイリーワインに対抗できる価格
 ・付加  :飲みやすさ
       選びやすさ(小売店支援を含む)
       楽しさと冒険

■レッド・オーシャンから抜け出せなく例

 ・他社と横並びの業界定義に沿って、業界1位を目指そうとする
 ・一般的な戦略グループ(高級車、低価格車、ファミリーカーなど)の概念に
  沿って業界を眺め、自社の属する戦略グループで抜きんでようと努力する
 ・オフィス機器業界なら購買担当者、アパレル業界なら利用者、医薬品業界
  なら影響者というように、他社と同じ買い手グループに焦点を当てる
 ・製品やサービスの範囲を他社と同じように定義する
 ・機能思考あるいは感性志向といった業界の特性をそのまま受け入れる
 ・戦略を策定する際に、同じ時点、しかも往々にして現在の競争状況に着目する

■レッド・オーシャンの罠を避ける

 罠1.顧客志向であるから既存顧客を重視すべきだ、という誤解
 罠2.基幹事業以外の分野に進出しなくてはならない、という誤解
 罠3.先進テクノロジーが欠かせない、という誤解
 罠4.他社に先駆けるほかない、という誤解
 罠5.要するに差別化戦略のことである、という誤解
 罠6.低価格を重視する低コスト戦略である、という誤解
 罠7.イノベーションと同じである、という誤解
 罠8.マーケティングを軸としたニッチ戦略である、という誤解
 罠9.競争が好ましい場合でさえも、悪だとみなす、という誤解
 罠10.創造的破壊や非連続的変化と同じである、という誤解